"言葉"の記事一覧

虫の話 2 腹の虫たち

(承前)道教の「三尸説」に従えば、人の身体には上中下三匹の虫が生まれつき棲みついていて、年に五六回巡ってくる庚申の日に、人々が眠っていると勝手に抜け出して天帝に宿主の悪業を告げ口し、人の寿命をも縮めてしまう、そんな風に信じられていた訳ですが、時代が下り、桃山時代頃になると、人の身体に巣食う虫たちの数は、何故か飛躍的に増え、二桁どころか、…

続きを読むread more

虫の話 1 三尸説とは

(九州大学が所蔵している『針聞書』にある図) 今、日常会話の中で使われることは極まれだと思うが、かつての時代劇や古い映画、ドラマなどの台詞にはしばしば出て来たものだ。場面は悪党たちの隠れ家、店のお金に手を付けた男が、博打場で知り合った泥棒稼業の頭分と思われる輩に金庫の在り場所を教えている。鍵はいつも番頭が腹巻に包んで持っている事も教え…

続きを読むread more

続みぃさん

歌舞伎作家の河竹黙阿弥が市中を歩いていた時、両国橋あたりで女物の華麗な衣装を身に着けた美青年を見かけたのが「きっかけ」だった、そんな風に伝えられているのが歌舞伎の『青砥稿花彩画』という作品。若い年代の方でも『白波五人男』と聞けば分るでしょう。この御芝居は文久二年三月に初演されたのですが、ドリフターズの加藤茶たちも良く真似をしていた「…

続きを読むread more