"古代豪族"の記事一覧

日祀り部と私部 5 出雲と大和の和解?

(承前)  ところで国立国会図書館が収蔵している『諸系譜』の中に「東国諸国造」系譜があり、その冒頭には、   「意美豆努命ーー天穂日命ーー天夷鳥命ーー伊佐我命ーー津狭命(神狭命)」 と続く系譜が伝えられており、伊佐我命には「伊勢津彦命」の別名もありました。これらの事柄を合わせて推理すると、元々出雲の地を本拠地にしていた天穂日命の一…

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日祀り部と私部 4 日奉部は斎宮に仕えた

(承前)  蘇我氏は早くから仏教に傾倒し「私寺」を建てるなど、時の朝廷とは異なる姿勢を鮮明にしていましたから、この動きは当然敏達天皇の意向を反映した施策だったはずで「新撰姓氏録」にも日奉連、佐伯日奉造(右京・神別)という名の氏族が見え、用明前紀に、   九月の壬申に詔して曰えらく云々。酢香手姫皇女を以って、  伊勢大神に拝して、日神…

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日祀り部と私部 3 屯倉と品部を独占

(承前)  蘇我氏のこの動きを表面的に見れば、いかにも帝室の財政基盤を強化しているかの如くですが、吉備国で実行し「確かめた」屯倉経営を自家の繁栄に役立てたのだと言えるでしょう。「皇后の名代」を管理していると言えば、誰も面と向かって文句は言えません。ましてや皇后が実の娘なら父親たちに「帳面」を見せてくれとも要求しなかったと思われます。 …

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