オヨヨとの出会い 2024年08月14日 小林信彦 オヨヨ 唐獅子株式会社 作家 読書 小林信彦(1932年東京生まれ)という作家の存在を教えてくれたのは、同学のℕ君だったと思うのだが、いつもの事で確信は無い。彼と知り合ったのは卒業を目の前にした冬のある日だった。専攻が違っていたので、それまで学内で一度も顔を合わせた事がなかったが、お互い、どうしても取らねばならない科目を残していたため、週1~2時間の講義を受けるため、ぎり… 続きを読むread more
島に手紙を書く人 2024年06月08日 小林秀雄 明恵 二度目の高校生活に馴染み始めた頃だったと思うのだが、現代国語の授業で小林秀雄の文章に出会い、とても興味を覚えた。間もなく手にした一冊の本の冒頭に彼の代表作『私の人生観』が置かれていた。読み始めると、明恵(1173~1232)というお坊さんが出てきて、その人は、かつて自分が修行した「島」に手紙を書いて出したという。この面白いお坊さんは、石… 続きを読むread more
蝶と古代人と霊魂 2023年07月17日 丸谷才一 小説家 随筆 中原中也 蝶 和歌 霊魂 不吉 作家であり、評論・随筆も書いた丸谷才一(1925~2012)が、ある文章の中で面白い見方を披露している。それは『男もの女もの』に収録されている、『菜の葉に飽いたら桜にとまれ』で披露されているもので、丸谷によれば、日本の古典文学とりわけ、短歌集の代表的なもの、 万葉集、古今和歌集、千載和歌集、新古今和歌集 などに、蝶を歌った作品が… 続きを読むread more