"出雲弁"の記事一覧

おとで

例え親子兄弟姉妹といえども、皆、顔つき身体つきが似ているとは限らない。筆者の母は五人姉妹の四番目だったが、伯母たちとは余り似ていなかった。   あーやつは、ほんに、よーにちょって、双子かと思っとったわぁ。  いんやだね、たしか、年子のおとでだよ。  あんま、にとーけん、おじじでもたんまに見間違えーられーと。 「おとで」は兄弟姉妹…

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しんぐらと

いつもなら、休み時間には、いの一番にお喋りグループの輪に入ってくる西島のあっちゃんの様子が少し変だ。うつむき加減に肩を落とし、誰とも話をせずに椅子に掛けたままだ。   あっちゃんが、あげに、しんぐらとしとーの、初めてだないか。  なんぞ、いけんやな事でも、あっただらか。  あんた、ちょこっと行って聞いてみーだわ。 大体の雰囲気は…

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恐らく、もともとは「しゅう=衆」という言葉があって、それが縮まったのではないか、そんな風に思えるのだが、出雲では良く使われる語彙の一つである。(地元の人が著した解説書によると「し」そのものに意味はないそうだ)   あのし、どこから来られた人だらか、あんま見かけん人だが。   なんだい、おぞいやな人だね。おぜしかもしらんね。  …

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