ゆてきかへらぬ ━京都━
人の思い出も変質するものなのだろうか。人は、自分の思い出も潤色するのだろうか。
中原中也は、今からざっと百年ほど前の大正時代に、故郷の山口から京都に移り住んだ。十代の半ば過ぎの頃だ。彼は、その後、東京に出て文芸の世界で生きて行くのだが、昭和十一年の冬『ゆきてかへらぬ』を『四季』に発表している。その作品の半ばには、
さてわが親しき…
昭和23年生まれの男性が、偏った感性で選ぶ歴史上の人物や出来事について、極めて不定期に語ります。
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