紙人形の部屋の夢
誰かに招かれて訪れた会場は柔らかい光に溢れていた。
どのような方法を取り入れたものなのかは分からないが、
光源がどこにも見当たらないから、
独自の間接照明を用いているのだろう。
小さな独立した部屋が、曲がりくねった廊下の左右にあって、
その中に、人型の或いは動物の形をした、
極々薄い紙で拵えた人形が一体ずつ宙に浮かんでいる。
それもガスを注入した小型のアドバルーンのように、
少しの風でも、何処かへ飛んで行きそうな風情をした、
重さを感じさせない繊細な「作り」をしている。
感心しながら幾つもの部屋を訪れていると、
背後から声が掛かり、
貴方の人形も用意してある。
それを見に来る人もいるので、
人形の中に入って待っていて欲しい。
そして、誰かがやってきたら、飛び出して欲しい。
と頼まれた。あんな紙風船のような物の中に、
本当に入れるものなのだろうか「私」は疑っていた。
それでも、会場全体を包み込む灯りを、
とても好ましく思う「私」が、そこに居た。
楽しく歴史や文学に親しみましょう

この記事へのコメント