模写する夢

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終業のベルが鳴る。残業はない。
皆、急ぎ足に建屋に沿って造られた、
従業員専用の細い通路を通り、屋外の送迎バス乗り場に向かう。
気のせいか、前後を歩いている人たちが、すべて外国人に見えた。
皆は右手の正門横に行くが「私」は通行証を持っていないので、
左に折れる別の道を選び先へと進む。

着いた先に在る誰も居ない大部屋に入ると、そこには有名な画家たちが描いた
作品が幾つも展示されており「私」は、その中の一つを選んで模写を始めた。

見た目は単純な図柄だが、いざ、真似て描こうとすると意外に難しい。
ああでもない、こうでもない、と悪戦苦闘するうちに時間が経ち、
外は暗闇に包まれようとしている。

そんな折、何人かの人たちが話ながら部屋に入り、絵の品定めを始めた。
急速に関心が薄れた「私」は、その大部屋から出ようとしているのだが、
何故か動くこともままならない。
気ばかり焦り、動揺している内に目は覚めた。
夢の中では覚えていた画家の名前は忘れてしまった。


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