ピンの話 2 キリ、桐と鳳凰
(承前 花札も天正カルタから派生したカード遊びとされています)
前回「保留」にしておいた「キリ」について続きを書きます。
「1から10まで」という意味において「ピン=1、きり=十字架、クルーズ」の
ポルトガル語が対応している、そのような「説」が流布している訳ですが、
天正カルタや「うんすんカルタ」から生まれたと考えられている「花札」では
十二月の「花」として「桐」が絵柄として使われています。
皆さんも余り実際に見たことが無いかも知れませんが、桐の花は冬に咲くものではなく、
大体五月から六月に開花する夏花の一種で、同時期に咲くフジに似た色をしています。
季節感から大きく外れた「桐」が数字の「最後」(最高も意味していたか)の「十二」
に当てはめられた背景には、外国由来の思い入れがあったのかも知れません。
それは、お隣の大国では、
最も縁起の良い霊鳥である鳳凰は
アオギリ(梧桐)の木にしか止まらない
そんな古い神話があり「キリ」が最も貴い霊鳥の居場所であるとされてきました。
なので、最後を締めくくる「十二月」の象徴に「桐」が選ばれ、言葉としても
「キリ」が用語として一般化したのではないか、そんな気がしています。
(蛇足ですが有名な古い建物などの上に置かれている鳥が鳳凰です)
(続く)
楽しく歴史や文学に親しみましょう
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