ピンの話 1 ピンキリとは

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カルタは外国から伝えられた遊びです)

今の若い方たちは使う事がないだろうが「ピンからキリまで」という言葉があって、
よく活字媒体の記事や、テレビ番組などの解説でも使われる常套句の一つだ。
その意味は「初めから終わりまで」と「最低から最高まで」の双方を指した
言葉なのだが、ネットなどでは、語源が外国語、ポルトガル語にあると説明している
ものが多い。
それは、江戸以前、室町時代に外国船の船員・搭乗していた商人などが、
寄港した町の人々に南蛮カルタ、つまりカードゲームを教え、
そのカード(札)の図柄に記された「数字」の読みが広く伝わったらしい。
物の本によれば、

  ポルトガル語で「点」あるいは「一の目」を「ピンタ」と言い
  「十」は「十字架」のクルーズ(cruz)が訛って「キリ」になった

かも知れないと書いてあるのだが「ピン」については肯けそうな気もするが、
キリ」の「十」に関しては、首をかしげざるを得ない。
ただ、天正カルタに詳しい研究者の一人が、

  最期の札をキリと呼んでいた

と明記した書き物もあるので、判断は留保しておきます。
皆さんにとって「ピン」はデバイスの個人識別番号の事に他なりませんね、きっと。

 (続く)

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