しんぐらと
いつもなら、休み時間には、いの一番にお喋りグループの輪に入ってくる
西島のあっちゃんの様子が少し変だ。
うつむき加減に肩を落とし、誰とも話をせずに椅子に掛けたままだ。
あっちゃんが、あげに、しんぐらとしとーの、初めてだないか。
なんぞ、いけんやな事でも、あっただらか。
あんた、ちょこっと行って聞いてみーだわ。
大体の雰囲気はこれで伝わると思いますが「しんぐらと」とは、
「寂しそうな」「しょんぼりとした」という程の意味合いです。
語源は良く解りませんが「しん」は「真」あるいは「深」の「しん」
から来ていると考えられなくもなく「ぐら」は「暗い」の転訛でしょう。
この言葉は「しんごらと」する、の様にも使われることがあるそうですが、
筆者は直接耳にした経験がありません。
語感からすると関西弁の「しんきくさい」と重なるものがありそうですが、
こちらは「辛気」が語幹になった「苛立たしさ」を表わす言葉なので、
別物と考えた方が良さそうです。
楽しく歴史や文学に親しみましょう
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