ココロのボス

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もーれつア太郎』はギャグ漫画の先駆け、赤塚不二夫の代表作の一つ。
とにかく強烈な個性の持ち主が次から次へと出てくるのだが、
中には、どう見ても「オカシイ」キャラクターが混じっている。
ココロのボス」は、その名前の通り元「ギャング」の親玉であり、
子分(彼はコプンと言う)も二人いて一家を構えている。
だが、その外見は明らかに「タヌキ」であり、現にシッポも生えている。
彼の自己PRによれば、もと貴族の家に生まれた暦とした存在だったが、
親が贋金作りに手を出して失敗、一気に乞食暮らしに落ちぶれた。
しかし苦節何年、大学を卒業し、先の大戦では特攻隊に志願して出撃、
見事な戦死とはならず敵国の捕虜になったのだが、
そのお陰で命を長らえたらしい。
漫画の連載が始まった1967年現在で45歳だと話しているので、
彼は、丁度100年前の1923年生まれだと云うことになる。
因みに、いつもケンカばかりしているニャロメは昭和16年生まれである。

下宿先の窓のない門座敷で友人たちと雑談している時「ア太郎」が
話題に上った折、K君がココロのボスを控えめに推した。
今思えば、彼もボスも小説家を志望していたからに違いあるまい。

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