「役者やのぉ」と様子しぃ
南河内のどこかに存在する架空の大学応援団を舞台にした
「花の応援団」というギャグ漫画が週刊誌に連載されはじめたのは、
1975年だったと記憶しているが、強烈な個性の多い登場人物の中でも、
OB薬痴寺の存在は異彩を放っていた。
彼は早くに卒業して、既に家庭も持っているのだが、
後輩の成長?を望む余り、いつも団を訪れては「指導」に余念がない。
その方針は「厳しく厳しく」容赦なくしごく事にあるのだが、
余りの激しさに気を失いかける団員も続出する。
そこで発せられるのが『役者やのぉ』の一言であり、
無論、それは「なかなか演技が巧い」つまり、まだまだ本当にバテてはいない。
だから、もっともっとシゴイてやろう、という意味が込められている訳だ。
それとは又ニュアンスが少し違うが、関西圏では「おもわせぶり」な
仕草をする事を「様子する」と言い、
いつも、そのような「体裁を造り勝ち」な人を「様子しぃ」と言う。
標準語であれば「様子をする」とでも言うのだろうが、
まだ小学校にも行かない年頃の女の子が、妙に品を造ったりすると、
廻りの大人たちは「まぁまぁ、様子して」と言ったりもする。
団のOBの姓は、明らかに奈良にある古刹・薬師寺のパロディだと
勝手に想像しているのだが、作者には特別な思い込みがあったのかも知れない。
楽しく歴史や文学に親しみましょう
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