オニの話 1 儀式に出現した鬼

(朝倉山の上に出た鬼『扶桑略記』より)  奈良時代の都人たちには鬼の姿が見えていたようだ。そうだとしか考えられない記事が正史に採録され、現在にまで伝えられている。それが「日本書紀」斉明紀に載せられた一連の文章であり、予兆は皇極女帝が元年春に重祚して再び天皇位に就いた同じ年五月に、既に現れていた。   夏五月の庚午の朔に、空中にして龍…

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松本清張と巨石 4 女帝と鬼の逸話

(承前)  以前、別の記事でも書いた事ですが、蘇我氏暗殺の現場に居合わせた女帝については余り芳しくない記述が多く、例えば正史の日本書記が、重祚した年の夏五月条と七年五月条でそれぞれ、   庚午の朔に、空中にして龍に乗れる者あり。貌、唐人に似たり。  青き油の笠を着て、葛城嶺より馳せて生駒山に隠れぬ。  午の時に至りて、住之江の松嶺の…

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命拾いをした夢

髪が随分と伸びて、まとまりがつかなくなった。今日は散髪をしようかと思い付き、何故かクルマで出かけた。道はすいている。というか、ほとんど走ってはいない。暫く進むと舗装道路のはずなのに、どういう訳か、とても埃っぽくなり、そのうちに視界まで悪くなってきた。『困ったもんだ、いつの間に道路状況が低下したのだろう』などと考えていた時、対向してく…

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